芳文社のウェブコミックに対するスタンスを垣間見る
『まんがタイムWAVE』の終了に寄せて。そして4コマオフ会に触発されて。
芳文社は連載ウェブコミックに対して消極的なスタンスを取っているように見える。きららWebでの連載はたった4作品(それも申し訳程度のページ数)。花音や週漫はウェブサイトでの連載作品がない。今回終了したWAVE(と、それ以前のタイムWebでの連載)も、連載陣は新人のみだった。
他の出版社に目を向ければ、竹書房は『デイリー4コマ』と協力して新人の発掘をするだけでなく、『まんがライフWIN』に竹書房誌の既存作家を投入している。双葉社は『まんがタウン』のウェブコミックこそないが、『Web漫画アクション』や『WEBコミックハイ!』(、そして少し前には『COMIC SEED!』)といったサイトを持っている。一迅社もこの6月に『ぱれっとONLINE』を開始予定だという。
むろん、これは誰に作品を届けるかということと不可分であろう。実話系を主軸とするぶんか社がオンラインコミックサイトを持たない(少なくとも、私には見つけられなかった)としても納得がいくというものだ。
しかし、たとえそうだとしても、少し前のきらら系列誌が見せた「東方(=ウェブと親和性が高い)同人作家を引っ張ってくる」ことと、「彼ら・彼女らを集めたオンラインコミックサイトを作る」ことは、結びついてもいいはずである。しかし、今のところそうはなっていない。
思うに、芳文社は「内輪受け」を嫌っているのではないか。ウェブ上の作家をオンラインコミックサイトに掲載したところで、それは作家をウェブの別の場所に移動させただけのことである。作家の作品をウェブでチェックしている読者、すなわち「内輪」には認知されても、その作家を知らず、そして紙で漫画を読む読者、すなわち「外」の人々には認知されにくい。その結果、読者のパイを大きくしづらい。
この「内輪受け」を嫌うスタンスは、ミラクにも現れているように見える。pixivやふたばから作家を引っ張ってきたのであれば、同じくウェブ上に漫画を掲載した方が、作家の既存読者に対してリーチしやすいことは明確である。にもかかわらず、ミラクは紙媒体で出版された。それは「内輪受け」を避け、作品の良し悪しを広く読者に問うているのだと、私は考える。
(ちなみに、芳文社は、単行本の試し読みのウェブ公開には力を入れている。きららWebでは最初のKRコミックスである『トリコロ(1)』から最新刊に至るまでのおそらく全ての単行本が、タイムWebでは2010年1月以降に刊行されたおそらく全ての単行本が試し読みできる。単行本を軸とした収益モデルを採用する芳文社らしいと言えばらしい。)